愛芸アシスト基金とは

芸術は文化の華です。人間の豊かさを証明するものに芸術があります。ルネサンスはフィレンツェを永遠に彩り、天平の文化は古都奈良の魅力を引き立てています。社会の繁栄のあるところには必ずその富を象徴するにふさわしい文化が生まれますが、そこには時代を形造る活力あふれる芸術が花開くものです。

愛知は活発な産業活動のもと、全国でも元気な地域といわれています。かつて陶磁や繊維織物など、時代や地域の芸術文化の凝縮ともいえる伝統的な美術工芸は、市場を世界に広げる産業へと大きく発展しました。今日では、都市空間やほとんどすべての製品にデザイン性が求められていますが、このデザインにも時代や地域を反映した高度な芸術性が求められています。このように、芸術文化はモノづくりをはじめ産業発展の基礎であり、その方向性をも左右し得るものとなっています。同時に、創造的芸術活動の活発な展開は、感性豊かで人間味あふれる地域を築くために必須の要素であり、芸術やその周辺に広がる様々な文化のさらなる振興、発展が望まれるところであります。

愛知県立芸術大学は、日本の中央に位置するこの地域を芸術性豊かな文化圏として発展させることを目的として、開学以来、美術学部と音楽学部からなる総合芸術大学として全国に誇り得る数々の実績をあげています。大学主催の質の高い演奏会や展覧会を積極的に開催することによって中部地方の芸術文化の普及に寄与する一方、美術、音楽いずれの分野におきましても国内外で高い評価を得ている芸術家や演奏家を多く輩出してきました。また、数多くの卒業生がデザイナーとして活躍するなど、産業振興にも貢献しています。

しかし、少子化の進行や法人化など、大学を取り巻く環境は大きく変化しています。こうした中、愛知県立芸術大学が地域における芸術文化創造の拠点として、今後さらに発展し、社会に貢献していくためには、より多くの方々に愛知県立芸術大学に親しんでいただき、理解を深めていただくとともに、教員、学生・院生の教育研究、発表といった活動を物心両面でご支援いただけますことを、切に希望するものであります。

そこでこのたび「愛芸アシスト基金」を発足させることと致しました。皆様方のご賛同とご協力をお願いするものであります。